法人「がん保険」-全額損金計上しながら退職金代わりにも!?

法人がん保険の節税ポイント

  • 解約返戻金のないタイプを活用して、法人の経営者や役員を被保険者として法人名義で契約10年程度の短期で、全額損金計上しながら保険料全額を支払い、払込みが終了してから、退職金代わりとして経営者や役員の個人名義に名義変更することが多い。
    法人では節税ができ、法人の経営者や役員は、保険料を支払わなくても一生涯の保険(保障)を持つことができる。
  • 従業員の福利厚生を目的としても利用される。
がん保険

 

法人がん保険はこんな方が加入している!

  • 従業員の福利厚生の充実をさせたい企業
  • 経営者や役員の退職金代わりとして一生涯のがん保障を準備したい企業

 

法人がん保険ってどんな保険?

  • 経営者のがん、もしくは従業員のがんに備えることができる。
  • 個人向けのがん保険は掛け捨ての解約返戻金がないタイプが主流ですが、法人の場合は、解約返戻金のあるタイプも活用される。

 

損金タイプ

損金タイプ 要件
全額損金タイプ 解約返戻金のないタイプ
1/2損金タイプ 解約返戻金のあるタイプ

 

保障内容

がんで入院や手術を行ったときや、がんで死亡したときなどに保障がおりる。

 

解約・満期時の取扱い

途中で解約したとき

解約返戻金がないタイプ:解約返戻金はなく、保障は終了します。
解約返戻金があるタイプ:払込保険料の60~80%が返ってくるものが多く、保障は終了します。

払込期間満了まで支払ったとき

解約返戻金がないタイプ:解約返戻金はなく、保障は保険期間中ずっと一生涯続きます。
解約返戻金があるタイプ:満了という考えがなく、活きている限り(もしくは解約しない限り)保険料を一生涯払い続けることになります。

仕訳

保険料支払い時

ケース1:全額損金タイプ

保険料払込期間が有期で、解約返戻金がないタイプに加入する場合

<契約内容>
契約者:法人
被保険者:従業員・役員
死亡保険金受取人:法人

契約年齢:31歳 保険期間:終身 保険料払込期間:30年
年間保険料:20万円

借方 貸方
支払保険料 20万円 現金または預金 20万円

☆借方に「支払保険料として支払った保険料の全額」を
貸方に「どの資産から支払ったのか?として支払った保険料の全額」を記入します。



ケース2:1/2損金タイプ

保険期間・保険料払込期間が終身で、解約返戻金があるタイプに加入する場合

<契約内容>
契約者:法人
被保険者:従業員・役員
死亡保険金受取人:法人

契約年齢:31歳 保険期間:終身 保険料払込期間:保険期間と同一
年間保険料:20万円
(※保険期間が終身の場合は、計算上105歳までを保険期間とする)

・保険期間の最初の1/2の期間

借方 貸方
支払保険料 10万円
前払保険料 10万円
現金または預金 20万円

☆借方に「支払保険料、前払保険料としてそれぞれ支払った保険料の1/2の額」を
貸方に「どの資産から支払ったのか?として支払った保険料の全額」を記入します。

・保険期間の残りの1/2の期間

借方 貸方
支払保険料 30万円 現金または預金 20万円
前払保険料 10万円

☆借方に「支払保険料として支払った保険料の額、それに加えて前半の1/2の期間に資産計上した前払保険料を、後半の1/2の期間で均等に取り崩した場合の額の合計額」を、
貸方に「どの資産から支払ったのか?と支払った保険料の全額と、前払保険料として前半の1/2の期間に資産計上した前払保険料を、後半の1/2の期間で均等に取り崩した場合の額」を記入します。



ケース3:1/2損金タイプ(※保険料払込期間が保険期間の1/2より短い場合)

保険期間が終身で、保険料払込期間が有期、解約返戻金があるタイプに加入する場合

<契約内容>
契約者:法人
被保険者:従業員・役員
死亡保険金受取人:法人

契約年齢:45歳 保険期間:終身 保険料払込期間:10年
年間保険料:18万円
(※保険期間が終身の場合は、計算上105歳までを保険期間とする)

・保険期間の最初の1/2の期間(保険料払込期間中)

借方 貸方
支払保険料 1.5万円
前払保険料 16.5万円
現金または預金 18万円

借方に「支払保険料として当期分保険料相当額(※)÷2
前払保険料として(当期分保険料相当額(※)÷2)+(年払保険料-当期分保険料相当額(※))」を、
貸方に「どの資産から支払ったのか?と支払った保険料の全額」を記入します。
※当期分保険料相当額 = 年払保険料 × (保険料払込期間÷計算上の保険期間)

 

・保険期間の最初の1/2の期間(保険料相当額払込期間満了後)

借方 貸方
支払保険料 1.5万円
前払保険料 1.5万円
前払保険料 4.5万円

借方に「支払保険料として当期分保険料相当額(※)÷2
前払保険料として当期分保険料相当額(※)÷2」を、
貸方に「前払保険料として借方の合計額」を記入します。
※当期分保険料相当額 = 年払保険料 × (保険料払込期間÷計算上の保険期間)


・保険期間の残りの1/2の期間

借方 貸方
支払保険料 4.5万円 前払保険料 4.5万円

借方に「支払保険料として貸方の合計額を、
貸方に「前払保険料として当期分保険料相当額(※)×1.5」を記入します。
※当期分保険料相当額 = 年払保険料 × (保険料払込期間÷計算上の保険期間)



ケース4:1/2損金タイプ(※保険料払込期間が保険期間の1/2より長い場合)

保険期間が終身で、保険料払込期間が有期、解約返戻金があるタイプに加入する場合

<契約内容>
契約者:法人
被保険者:従業員・役員
死亡保険金受取人:法人

契約年齢:25歳 保険期間:終身 保険料払込期間:75年
年間保険料:9.6万円
(※保険期間が終身の場合は、計算上105歳までを保険期間とする)

・保険期間の最初の1/2の期間

借方 貸方
支払保険料 3万円
前払保険料 6.6万円
現金または預金 9.6万円

借方に「支払保険料として当期分保険料相当額(※)÷2
前払保険料として(当期分保険料相当額(※)÷2)+(年払保険料-当期分保険料相当額(※))」を、
貸方に「どの資産から支払ったのか?と支払った保険料の全額」を記入します。
※当期分保険料相当額 = 年払保険料 × (保険料払込期間÷計算上の保険期間)

 

・保険期間の残りの1/2の期間(保険料払込期間中)

借方 貸方
支払保険料 9万円
前払保険料 3.6万円
現金または預金 9.6万円
前払保険料 3万円

借方に「支払保険料として当期分保険料相当額(※)+当期分保険料相当額(※)×1/2
前払保険料
として、年払保険料ー当期分保険料相当額(※)」を、
貸方に「どの資産から支払ったのか?と支払った保険料の全額、
前払保険料として借方との差額」を記入します。
※当期分保険料相当額 = 年払保険料 × (保険料払込期間÷計算上の保険期間)

 

・保険期間の残りの1/2の期間(保険料相当額払込期間満了後)

借方 貸方
支払保険料 4.5万円 前払保険料 4.5万円

借方に「支払保険料として当期分保険料相当額(※)×1.5を、
貸方に「前払保険料として借方と同」を記入します。
※当期分保険料相当額 = 年払保険料 × (保険料払込期間÷計算上の保険期間)



解約時

解約返戻金1000万円を受け取った場合

借方 貸方
現金または預金 1000万円 雑収入 850万円
前払保険料 150万円

☆借方に「受け取った解約返戻金の額」を
貸方に「前払保険料として資産計上して残っていた前払保険料の額雑収入として解約返戻金と前払保険料との差額」を記入します。


 

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